【元トヨタ保全が解説】工場の保全はきつい?仕事内容・大変だったことを実体験から解説

工場勤務ガイド・リアル

どうも、だいです!

今回は、期間工・派遣ではあまり配属されることのない「保全」について書いてみようと思います!

僕は新卒でトヨタ自動車に入社し、正社員として金型保全の仕事を経験しました。

工場のライン作業者から見ると、

「保全って機械が壊れるまで待機してるだけじゃないの?」

「事務所にいる時間も多いし楽そう」と思われることもあります。

ですが、実際に保全として働いた僕の感想は、

保全はかなりきつかったです。

突発故障が起きれば時間との勝負になりますし、休日にしかできないメンテナンスもあります。

さらに僕が担当していた金型保全では、溶接やグラインダーを使った専門的な作業もありました。

この記事では、元トヨタ保全の僕が実際に経験した仕事内容や、保全のきつかったところ・楽だと思われやすい理由を紹介します!


工場の保全とはどんな仕事?

工場の保全は、簡単にいうと工場の設備や機械を正常に動かすための仕事です。

工場では多くの設備を使って製品を生産しています。

設備に不具合が起きて生産ラインが止まってしまった場合、原因を調べて修理し、再び生産できる状態に戻す必要があります。

また、壊れた機械を直すだけではありません。

設備が故障する前に点検・整備したり、不具合が再発しないよう改善したりするのも保全の仕事です。

そのため、

「機械が壊れた時だけ働く仕事」というわけではありません。

保全にもいろいろな種類がある

一口に保全といっても、担当する設備や仕事内容は部署によって違います。

僕がトヨタ自動車で担当していたのは、金型保全と呼ばれる仕事でした。

一般的にイメージされる機械保全とは少し違い、グラインダーで金型を削ったり、溶接したりしながら金型を修正する仕事です。

品質にも直接関わるため、かなり細かい精度が要求されました。

この記事では、一般的な保全について触れつつ、僕が実際に経験した金型保全を中心に紹介します。


保全が「楽そう」と言われる理由

僕が工場で働いていた時も、ライン側から見ると保全は楽そうに見える部分があったと思います。

なぜそう見えるのか、実際に働いて感じた理由を紹介します。

常に動き続ける仕事ではない

ライン作業者は、ラインが動いている間は基本的に決められた作業を繰り返します。

一方、保全は常に同じ作業を繰り返しているわけではありません。

そのためライン作業者からすると、保全の人が事務所で座っていたり、手を動かしていなかったりする時間を見ると、

「保全って楽そうだな」と感じる部分もあると思います。

ただ、その時間にも点検の準備や改善活動、資料作成など別の仕事をしています。

機械が壊れた時だけ働くイメージがある

保全というと、

「普段は待機していて、機械が壊れたら直しに行く」というイメージを持っている人もいると思います。

ですが実際には、それ以外にもすることはたくさんあります。

設備の点検やメンテナンス、不具合対策、改善活動なども保全の仕事です。

そして何も起きていない時より、トラブルが起きた瞬間のプレッシャーがかなり大きい仕事でした。


実際に保全はきつい?楽?

派遣社員としても複数メーカー・複数工程を経験した僕の意見ですが、

結論、僕が経験した保全はかなりきつかったです。

特に大変だったのが、

  • 突発対応は時間との勝負
  • 休日出勤がある
  • 知識と技術が必要
  • QC活動が大変
  • 汚れや危険を伴う作業もある

この5つです。

突発対応は時間との勝負

稼働中に設備や金型で不具合が発生すると、保全に連絡が入り現場へ急行します。

ここが保全の大変なところです。

保全が修理して再稼働させるまで、場合によっては生産ラインが止まっています。

長時間ラインを止めてしまえば、その日の目標生産台数に届かなくなる可能性があります。

その分を残業で挽回したり、僕がいた職場ではラインが止まっている時間帯に生産を代わりに対応したりすることもありました。

当然、「できるだけ早く直さないといけない」というプレッシャーがあります。

ただ早ければいいわけではなく、安全や品質も守らなければなりません。

この緊張感は、実際に保全を経験して特にきついと感じた部分でした。

休日出勤がある

保全は生産ラインが止まっている時だからこそできる作業があります。

僕が働いていた職場では、土曜日に出勤してメンテナンスをすることがありました。

さらにGW・夏季・年末年始などの長期連休でも、初日や最終日に出勤することがあり、

ライン作業者より連休が2日ほど短いこともしばしば😮‍💨

「その分稼げるからいいんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。

ただ、僕が経験した保全は3交替勤務で、平日の残業がそこまで多くない部署でした。

ライン作業者が平日に残業する一方、保全は休日出勤で残業時間を稼ぐような形になることもありました。

なので僕としては、休日を削って稼いでいる感覚の方が強かったです。

知識と技術が必要

保全は設備や機械を直すため、知識と技術が必要です。

特に僕が担当していた金型保全では、グラインダーと呼ばれる工具で金型を削ったり、溶接したりしていました。

品質に関わる重要な作業なので、細かな精度が求められます。

※現場で突発の点付け溶接などをこなしていた時に、熱い金属の火花(スパッタ)を喰らってできたガチの火傷の跡です。

ライン作業の場合、配属後に作業を覚えて1ヶ月ほどで独り立ちしていきますが、保全は覚えることが非常に多かったです。

僕は当時、上司から「この部署で一人前になるには10年必要」と言われていました。

それくらい奥が深い仕事でした🤦

こんな風に火傷や負傷をしながら、身を削って働いていた僕の「1年目の給料・ボーナス明細14枚」の全貌は、こちらの記事で包み隠さず公開しています!

👉 高卒トヨタ社員1年目の給与・賞与明細14枚をガチ公開!

QC活動が大変

トヨタには、QC活動と呼ばれる品質管理・改善に関する活動があります。

製造部門にもありますが、保全では、「どうすれば不具合を減らせるか」など、設備や金型に関する専門的なテーマを扱うことがあります。

不具合の原因を考え、対策を検討して、結果を確認する。

こういった仕事もあります。

ライン作業者から、「保全は事務所で楽してるだろう」と思われている時でも、実際にはこうした活動をしていることがありました。

汚れや危険を伴う作業もある

僕が経験した金型保全は、汚れるだけでなく危険を伴う作業も多い仕事でした。

金型の修理では、グラインダーで金型を削ったり、溶接したりする作業があります。

溶接では高温の火花(スパッタ)が飛んできますし、グラインダーでは高速で回転する工具を扱うため、常に安全を意識して作業する必要があります。

さらに、僕が扱っていたのは自動販売機より少し大きいくらいのサイズで、重量が何トンにもなる射出成形用の金型でした。

バンパー・インマニ・バックドア・インパネなどの樹脂製品を作るための金型で、中には配線や電気系統、水を通す配管、細かな部品などが大量に組み込まれています。

金型の中に身体を入れて点検・修理することもあるため、万が一設備が動けば挟まれるなど重大な事故につながる危険があります。

そのため、こうした作業では設備が誤って動かされないよう、南京錠などを使った「ロックアウト」と呼ばれる安全措置も行っていました。

また、何トンもある金型を修理場まで移動させるために、無線クレーンを操作して玉掛けを行ったり、専用の運搬車で金型を運んだりする作業もありました。

重量物を吊り上げて移動させるため、落下や接触・衝突などにも十分注意する必要があります。

つまり僕が経験した金型保全では、

  • 溶接による火傷
  • グラインダー使用時のケガ
  • 金型内部で作業する際の挟まれ
  • クレーン・玉掛け作業での重量物の落下
  • 金型運搬時の接触・衝突

など、一歩間違えれば重大な事故につながる危険を意識しながら作業していました。

もちろん、危険だからこそ保護具の着用やロックアウトなど、安全ルールや作業手順は細かく決められていました。

それでも僕自身、

「何トンもある金型を扱う仕事だから、少しの油断が大きな事故につながる」

という緊張感は常にありました。

そして設備や金型を触る仕事なので、油やグリスで作業着が汚れることも日常茶飯事でした。

僕の場合、仕事が終わる頃にはつなぎが油やグリスでドロドロになっていることもありました。

※僕が実際に毎日油とグリスにまみれてドロドロになった本物のつなぎです。毎日の洗濯が大変でした。

金型保全では、このほかにも金型の分解・オーバーホールなど専門的な作業があります。

僕が担当していた金型では、6人ほどで作業してもオーバーホールに8時間近くかかることもありました。

金型の構造や実際にどんな作業をしていたのか、ロックアウトやクレーン・玉掛けなどの安全対策については、別の記事で詳しく紹介します。


保全とライン作業はどっちがきつい?

これは単純に比較できないと思います。

ライン作業には、決められた時間内に同じ作業を繰り返す身体的なきつさがあります。

一方、僕が経験した保全には、突発故障へのプレッシャー・専門知識・技術・休日出勤といった別のきつさがありました。

僕自身、正社員として保全、その後派遣として複数の工場・工程を経験しましたが、同じ「工場勤務」でも部署によってきつさの種類が全然違うと感じています。

👉 工場勤務で意外ときつい工程3選


保全に向いている人

僕の経験から考えると、保全はこんな人に向いていると思います。

  • 機械を触るのが好き
  • 原因を考えるのが好き
  • 技術や知識を身につけたい
  • 突発的なトラブルにも対応できる
  • 同じ作業を繰り返すより変化がある仕事が好き

特に、

「なぜ壊れたんだろう?」
「どうすれば次は壊れないだろう?」と考えるのが苦にならない人は、保全と相性がいいと思います。

逆に、毎日決められた仕事だけをこなしたい人や、突発対応によるプレッシャーが苦手な人には大変に感じる可能性があります。


保全についてよくある質問

保全は未経験でもできる?

求人や会社によって条件は異なります。

ただ、保全は専門的な知識や技術が必要になる仕事なので、入社してすぐ何でも一人でできるような仕事ではありません。

僕自身も現場で仕事を覚えながら経験を積んでいきました。

保全はずっと機械を修理している?

ずっと修理しているわけではありません。

突発故障への対応だけでなく、点検・メンテナンス・改善活動などの仕事もあります。

むしろ、壊れてから直すだけではなく、壊れないようにすることも保全の重要な仕事です。

期間工や派遣でも保全に配属される?

募集内容や工場によりますが、僕が経験したような専門性の高い保全は、製造ラインの求人とは仕事内容や採用条件が異なる場合があります。

期間工・派遣に応募する場合も、配属工程を自分で自由に決められるとは限りません。

👉 期間工・派遣は工場・勤務地・配属先を選べる?


まとめ|保全は楽そうに見えて専門性の高い仕事

いかがでしたか?

今回は、僕がトヨタ自動車で実際に経験した保全について紹介しました!

ライン作業者からすると、「事務所にいる時間もあるし楽そう」と感じる部分もあると思います。

ですが実際には、突発対応・休日出勤・専門的な知識や技術・改善活動など、保全ならではの大変さがあります。

僕が担当していた金型保全では、溶接やグラインダーを使った作業もあり、毎日のように油やグリスでつなぎを汚しながら働いていました。

もちろんライン作業にも別の大変さがあります。

どちらが偉いという話ではなく、同じ工場でも仕事内容によって「きつさの種類」が違うということです。

保全を経験したからこそ、僕はそう感じています。